『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』
太田 直子




映画の字幕ができるまでにこんなにも翻訳者が急かされていることを知り驚いた。
翻訳者がどのように字幕を作成しているのかを知るためにも、映画の字幕を依頼している側の人にぜひとも読んで欲しい。

この方の本を読むのは2冊目なのだけど、映像翻訳者の日々の葛藤の裏側が知れて面白い。

読んでて思うのだが、何で翻訳者さんと翻訳を依頼する側の人とこんなに壁があるのだろう。
一緒に仕事をしているなら、ある程度相手のことを知っている必要はあると思うのだが。

字幕って私は大好きで、映画館で吹き替えはほぼ見ない。
俳優の生の声を聞かないと、その映画のできというか雰囲気がわからなくてもったいないと思うのだ。
でも字幕と英語の違いが気になる。
私の場合は結構「これ、こんな風に訳すのか」と楽しんでみることが多いからいいけれど、気になる人はとことん気になるのだろうな。
これを読んで、様々な葛藤があってこの字幕ができたということを多くの人に知って欲しい。

あと面白かったのは、以下の部分。

アラーは英語の「god」にあたる普通名詞。アラーと書けばイスラム教だという考えは間違い。キリスト教のアラブ人も、神のことを「アラー」という。

知らなかった。こういうちょっとした知識おもしろい。


私が読んだのはKindle版。読み終わったのは4/15.


字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ (光文社新書)
太田 直子
光文社